のすたるじい

 

 

ずーっとずーっと

ずーっとむかしにね 恐竜がいたじゃない

今はもう滅んじゃってるけど

アレ いいなと思うんだ

 

湿った葉っぱのあいだを悠然とあるく

火を噴く山といっしょに歌ってる ぎゃお♪

ふと振り返ってはるかを眺めてみる

ぬるい風に目を細める

ちいさな脳みそは たべることたべること ねむること

恐竜は でも じぶんだよ

じぶんのままでね 生きてるんだ

 

長ーい首がゆっくり落ちてく

でっかい体がぐらって揺れて

濃密な大地が震えるんだ

ずずーん

それから 舞い上がった砂ぼこりはだんだんおさまって

しずかに

「絶対」が横たわる恐竜の上に降り積もる

もう 二度と恐竜はうごかない

 

永ーい時間がめまぐるしく過ぎて

遠い地球の夢は 恐竜はね

石油になったんだって すっごいね

今はいないよ でもまだエナジーは生きてる生きてる

素敵だね きっと地球が恐竜を愛してたんだ

 

ぼくは

恐竜にうまれたかったんだ

 

 

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