こすもす

 

 

はなを植えよう

現象の向こうに透けている

あの光素(エエテル)をあつめるために

貴方を

宇(ひろ)い宙(そら)より降りた奇蹟の火を

癒すように

祈るように

貴方と揺れる

はなを植えよう

 

だいち

と呼び

私たちの願う場所

あまりに深いその思いを

思いの有機熱(フィーバー)にこそ裏切られ

すりきれて すりきれて

まどろむ夢さえ

ずんずんうすっぺらくなるばかり

 

なんて辛いんだろう

自重を失って

蒼い星はさかしまのそらへ落ちて行く

ただ酔うみたいに

ふわふわ時を越えながら

不確定のエナジーを

とどめることさえ思いもよらず

赦    し

貴方は

 

かなしむよりも

 

さびしんでいるので

私は

何ほどでもないのだけれど

(そしてたぶん

 何ほどだと思いたいだけなのだけれど)

わかる

と口にする傲慢さに耐えられず

しおたれてうつむくしかなくなってしまう

いろんなきもちが

まるでとりとめもなく

浮かんではしぼんで また浮かぶ

 

あのスコップはどこへやったっけ

 

せかいのひみつは

かがやく光素が

かすかすの炭素になるわけは

ずっとどこかに封じられてる

悪意でも まして好意であるはずもなく

エントロピーはだまって増大し続ける

 

だから

 

名付けられて生まれる世界で

炭素をダイヤモンドには変えられなくても

アルケミストにはなれなくっても

(モット チカラ ヲ!)

せめて

ひかりとみずとつちの生み出す

きれいなものを貴方に見せたい

 

私たちの母である貴方の

そのまた母の名を冠す

儚げに見えてたくましい

貴方に囁く

はなを植えよう

 

 

               

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